Ryusuke Fuda's Newsletter #149
- Telegram が Wallet を提供することを発表
- GPT-4 を利用したプログラミング補完ツールの EasyCode がシードで130万ドル (約1.9億円) を調達
出典: https://rockset.com/press/rockset-raises-44-million-to-power-search-analytics-and-ai-applications/
Elasticsearchよりも4倍の処理スピードが速い Rockset が4400万ドル (64.8億円) を調達しました。Elasticsearch と Rockset はインデックス(データベース機能)と高速な検索機能をエンジニア向けに提供しています。MySQLなど堅牢なデータベースに比べてテキストデータなどの軽量なデータに特化しているため、高速な全文検索を行なうことができます。ECサイトの商品検索や、キャッシュのような一時的なデータ保存用途など様々な活用事例があり、他のデータベースと一緒に利用されることが多いです。
先に製品を市場に出した Elasticsearch を開発する Elastic社は2018年にIPOしています。後発の Rockset は これまで Elasticsearch よりも高機能を売りにしていました。今回の調達のキーワードにはリアルタイムのAI構築にRockset が向いていることをアピールしています。GenerativeAIという大きな市場で「ツルハシ」を売ることで大きな収益を得ることを目指すことがわかります。Link
出典: https://techcrunch.com/2023/09/13/telegram-ton-crypto-wallet/
Telegram が Wallet を提供することを発表しました。Wallet の種類は self-custodial なため、秘密鍵はユーザーが管理する Metamask と同様のタイプです。Telegramは暗号化されたチャットを行なうことができるため、web3 ユーザーは情報交換や投資に関するやりとりまで Telegramを利用する慣習があり、月間のアクティブユーザーは8億人を誇っています。
Telegramの Wallet が他の Wallet とは違う特徴があるのかどうか、どのような利便性があるのか等が不明なのでまだ評価はできませんが、Telegram は広告機能も開始していることから Wallet を提供することでチャットの中身ではなく Wallet の中身を元にした広告プラットフォームをつくることが可能になります。Telegramの今後の動きに注目です。Link
出典: https://www.easycode.ai/
GPT-4 を利用したプログラミング補完ツールの EasyCode がシードで130万ドル (約1.9億円) を調達しました。EasyCode は VSCodeとJetBrainsのプラグインとして動き、ChatGPTのようにチャットにコードに関する質問やコードを生成するような指示を出すことができます。
GPTを利用したコード補完の分野は GitHub Copilot が市場を牽引し、一強状態のように見えます。しかし、GitHub Copilot は個人での利用に月額10ドルかかります。それに比べEasyCodeは今のところ無償で提供しており、90万人のユーザー獲得に成功しています。
長期的に見るとEasyCodeもGitHub Copilotと同様にGPT APIの利用料をユーザーに負担してもらう必要があると思います。EasyCodeが有料化したときに GitHub Copilot との違いをどうつくるのかこれから楽しみです。Link
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