Ryusuke Fuda's Newsletter #157

金融サービス向けのAIプロダクトを開発する Black Ore Technologies が USD6000万ドル(約90億円) をa16zなどから調達しました。

Black Ore は Tax Autopilot というプロダクトを開発しています。これは会計士向けのAIツールで、複雑な税務処理を会計士に変わって処理するものです。これにより公認会計士は、事務作業から開放され、顧客との関係構築、アドバイザリーサービスの提供など人間的な仕事に集中することができます。

Black Ore はCEO、CTO共に機械学習のバックグラウンドを持つため、AIへの造詣が深いことは記事からわかりますが、裏側がどのような技術で実装されているのかが知りたくなります。もしGPTなどのLLMの登場によるものだとするとこれまでの機械学習ではできなかったことが可能になった良い事例になります。Link

NFTマーケットプレイスのOpenSeaが従業員の50%を解雇しました。OpenSeaは2022年に133億ドルの評価額で3億ドルの調達を実施したことで注目を集めましたが急激に失速しています。

2022年10月にBlurがローンチされるまでは OpenSea がNFTマーケットを独占していましたが、Blur に徐々にシェアを奪われ現在はNFTの取引量の70%をBlurが占め、OpenSeaを置き換えました。

Blur は OpenSea や S2Y2など 複数のNFTマーケットをまとめたマーケット (アグリゲーター) であるため、ユーザーにとっては OpenSea に比べて多くの種類のNFTを取引できます。NFTアートは暗号資産に比べて利用用途が限られているため、価値を上げる手段が少ないようみ思えます。そのためNFTアートの冬の時代はまだ続くと推測します。Link

OpenAI 初の開発者向けイベント「DevDay」が開催されました。OpenAI は時期バージョンの GPT-4 Turbo の内容を公開しました。GPT-4 Turbo の注目アップデートは、GPTが学習しているデータソースの改善です。これまでは2021年9月までの情報を学習していましたが、大幅に刷新され 2023年4月までの情報を学習しています。

ChatGPTは最新の質問には答えられないという弱点のひとつが解消されつつあります。今後はどんどん学習の期間が短縮され、1日前のデータまでカバーするようになるとニュースサイトなどあらゆるメディアがChatGPTを競合とみなすようになると考えます。

その他、GPT Builder というツールも発表され、領域に特化したカスタムGPTを誰でも作って販売できるようになるようです。GPTが Apple Store のようになるイメージです。アイディア次第ではカスタムGPT専門の会社などが出てきそうですね。Link

過去のアーカイブはこちらからご覧いただけます。

https://ryu.theletter.jp/

毎週このようなニュースレターが無料で届く 「Ryusuke Fuda's Newsletter」ご購読いただけると嬉しいです。