Ryusuke Fuda's Newsletter #158

Tabnine が2500万ドル(約37億円)の資金調達を発表しました。Tabnine はエンジニア向けにAIによるコード補完サービスを開発するイスラエルのスタートアップです。2017年にシードの資金調達を実施し、時間をかけて開発をすすめてきました。2022年に1550万ドルのシリーズA調達を行い、本格的にマネタイズを開始しています。

Tabnineは100万人以上のエンジニアが利用し世界のコードの1％以上を生成していると発表しました。Tabnineを利用することで、エンジニアはコード生成の30～50％を自動化,できます。

Tabnineは現在独立して運営されていますが、近い将来エンジニア向けのツールを求めているAWS, Snowflake, Atlassian, SalesforceなどのUSの大手IT企業に買収される可能性が高いと思います。Link

GitHubの年次イベント GitHub Universe 2023 が開催され、「GitHub Copilot」の進化像の「Copilot Workspace」を発表しました。

GitHub Copilot はGPTを活用したAIがコードを補完するサービスです。Copilot がどのように進化するかを期待していましたが、それを上回る内容でした。

Copilot Workspace は AIがコードを補完するのではなく、人間が issue (バグの内容や機能開発の内容などの短い文章) を書くだけで AI が仕様を考え、仕様に沿った実装方法を設計します。次に、AIは仕様に従ってコードを修正または新規作成します。

Copilotは人間の補完でしたが、Copilot Workspace は AI の補完を人間がするようなサービスです。GitHubが簡単なデモ動画で、将来の開発者の役割が今とは別のものになる兆しを見せてくれました。仕様通り開発するだけのエンジニアの数は減っていくことは確実ですね。 Link

車メーカーのポルシェが FOSS Movement のプロジェクトサイトを公開し、フリー&オープンソースソフトウェア(FOSS)の活用範囲を拡大することを発表しました。

ポルシェは可能な限り、商用ソフトウェアからFOSSに移行し、従業員にフリーオープンソースの活動に参加する時間を与えます。

FOSSを活用することで「車輪の再発明をしない」で素早く製品を提供することを目指すようです。FOSS Movement の発表のもうひとつの狙いは優秀なエンジニアの獲得が挙げられます。IT企業ではない車メーカーがこのようにFOSSに関する声明を発表したことでポルシェで働くことに興味を持つエンジニアが増えたと思います。Link

過去のアーカイブはこちらからご覧いただけます。

https://ryu.theletter.jp/

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