Ryusuke Fuda's Newsletter #106
- ソフトウェアのテストを請け負うQA Wolf が 2,000万ドル(約28億円) を調達
- Adobe が Figma を200億ドル(2.8兆円)で買収
出典: https://mirror.xyz/arpeggi.eth/jkpMgDfGdKZGyM_PX0CNy5xmIqLOIwCkE5IIwOS8GnE
音楽制作フローを変えるWeb3のArpeggi Labs が a16z crypto がリードし510万ドル(約7.3億円) の調達を発表しました。
音楽制作において、アーティストは昔の曲から何らかのインスピレーションを得て新しい曲を生み出していますが、過去の曲の一部を直接利用するサンプリングという手法もヒップホップを中心に一般的になってきています。
しかし、著作権の切れた古い曲以外をサンプリングしようとすると、複数の権利関係者の許可を経て、法的に問題ないか確認し契約を結ぶという複雑なフローが必要になります。
Arpeggi Labs はクリエイターが自由に楽曲をアップロードし、自由にサンプリングできるプラットフォームを開発しています。サンプリングされたクリエイターはもちろん報酬を得ることができます。
権利を守ることで収益を得るのではなく、コラボレーションを促進することで収益を得るのはWeb3 の良い例となり得ますね。Link
出典: https://techcrunch.com/2022/09/07/qa-wolf-exits-stealth-with-an-end-to-end-service-for-software-testing/
ソフトウェアのテストを請け負うQA Wolf が 2,000万ドル(約28億円) を調達しました。クラウドベースのテストツールは他にもありますが、QA Wolf はテスト計画の作成、テストの作成と管理、失敗の調査、バグの報告などを QA Wolf がサポートを行います。
CEOのJon Perl 氏によると、テスト知識のない人が無理やりテストツールを使って構築するのではなく、QA Wolfの顧客はテストカバレッジそのものに対価を払っていると話しています。
このモデルだとスケールした時に人がかなり必要になってきますが、どう工夫するのか注目です。Link
出典: https://news.adobe.com/news/news-details/2022/Adobe-to-Acquire-Figma/default.aspx
2012年、ブラウン大学を中退した Dylan Field はピーター・ティールが運営する Thiel Fellowship に参加し、"Take on Adobe" をテーマに次世代のデザインツールの開発をはじめます。そこから4年をかけ、20億円近くを使い2016年にローンチしたのがFigmaです。
Adobe は Photoshop, Illustrator, XD などのデザインツールでデザイナーがPC上で作業を行う際の効率化をサポートし強い支持を得ていました。しかし、ここのところ Figma にWebのUIデザインツール分野でシェアを奪われ悩まされていました。
Figma はデザインをしやすいツールを目指したのではなく、コラボレーションしやすいツールを目指しており、同時に複数人での編集や高スペックのPCも不要でブラウザ上で使用できます。
Adobeがコラボレーションの重要性に気づいた時はすでに手遅れで、Figmaは累計3億ドル(約400億円)以上調達しシェアを伸ばしAdobe唯一の競合となっていきました。
Adobe が Figma を 200億ドル(2.8兆円)とかなりの高額で買収した背景は唯一の競合であり、他の企業へ買収されるのを避けた側面があると思います。Link
👂 Back numbers
過去のアーカイブはこちらからご覧いただけます。
https://ryu.theletter.jp/
毎週このようなニュースレターが無料で届く 「Ryusuke Fuda's Newsletter」ご購読いただけると嬉しいです。
すでに登録済みの方は こちら