Ryusuke Fuda's Newsletter #52
- Web3 領域に取り組む Element が 30億円を調達
- AI の課題がコロナウイルスで浮き彫りに
- Ethereum がロンドン・ハードフォーク実施しガス代の高騰を改善
出典: https://element.io/blog/element-raises-30m-as-matrix-explodes/
Slack や Microsoft Teams, Discord が普及するにつれ、データがすべて提供する会社のサーバーに集約されているという状態に疑問視する声が増えています。OSS の Slackクローンを自社で管理する方法もありますが、新しい通信プロトコルで解決するアプローチも進んでいます。
Matrixという通信プロトコル技術がそれにあたり、リアルタイムチャットの通信規格をつくり Email のようにサーバーを選ばずどのアプリケーションからもお互いに送受信できるようにするというものです。分散型かつエンドツーエンドで暗号化されており安全に使用できることから、英国、米国、フランス、ドイツの公共機関が Matrix の構築を発表しています。今後もますます多くの政府やNGOがMatrixの構築に取り組んでいくでしょう。
その Matrix を使用したメッセージングアプリを開発する Element が約30億円の資金調達を発表しました。投資家も思想同じく Web3.0 に取り組む Protocol Rabs が入り強力な体制になっています。Link
出典: https://www.technologyreview.com/2021/07/30/1030329/machine-learning-ai-failed-covid-hospital-diagnosis-pandemic/
コロナウイルスをいち早く終息させようと企業や研究機関から数百のAIが開発されましたが、効果的なものはほとんどなく中には害を及ぼすものもあったという結果が得られました。
重症化する患者の予測ツールなどでAIの活用が期待されていましたが結果はむしろAIの課題を浮き彫りにするものになりました。
原因の大半は学習データの質が低いことにあります。CTスキャン画像が世界中から集められデータセットとして公開されていますがこのデータの多くは放射線科医による陽性か陰性かの申告でラベル付けされておりPCR検査と連動しているわけではないものになります。また、横になってスキャンされたものと立ってスキャンされたものが組み合わさっており、AIがその姿勢を重要視してしまう例もありました。
こういった問題を解決するには、各企業が病院と機密保持を結び独自でAIモデルをイチから構築するのではなく過程を共有しながらどういうデータセットを使ったかコミュニケーションを取ることが必要だそうです。
現状、今までにない有事の際に素早く有用なAIを臨床で得るのは難しいことが分かりますね。Link
出典: https://www.cnbc.com/2021/08/05/ethereum-just-activated-its-london-hard-fork-and-its-a-big-deal.html
Ethereum は De-Fi や NFT を支える技術で一番使われているプロトコルのひとつですが課題も多くありました。一番の問題はスケーリングの問題で取引量が増えるにつれてガス代と呼ばれる手数料が高騰するものです。
Ethereum は今週 "ロンドン・ハードフォーク" と呼ばれるアップデートを実施しこの問題の改善を図りました。手数料の高騰は抑えられる反面、マイナーが今までより稼ぐことができなくなる側面も存在します。
"ロンドン・ハードフォーク" は手数料が低いことを売りにしていた他のプロトコルにも影響を及ぼしますね。Link
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