Ryusuke Fuda's Newsletter #143

オンラインで3Dのデザイン、コラボレーションツールのSplineが1500万ドル(約20億円) を調達しました。

Figmaはオンラインのデザインコラボレーションツールを開発し、最終的に Adobe が200億ドルという巨額で買収しました。Figmaは他のデザインツールと違いコラボレーションに特化し、オンライン上で複数人が同時に編集でき、いつでも最新のデータを閲覧できることがデザイナーやエンジニアに評価され短期間で急成長しました。

Figmaはウェブサイトやロゴなど2Dのデザインに特化しています。それでも高負荷のかかるデザイン制作をブラウザで実行するのには莫大な研究費と技術が注ぎ込まれています。

Splineは簡単に言うと Figma の3D版で、Figmaよりさらに高い負荷のかかる3Dのデザインをブラウザで実行しコラボレーションすることに挑戦しています。

Figmaという成功事例があるので、Spline へは投資家が殺到したことが伺えます。唯一の懸念はメタバースなど3Dのデザイン数が2Dのデザイン数に並ぶようになる時代がいつ来るかだけだと思います。Link

オープンソースでAIのビジュアライズエンジンを開発する Nomic AI が1700万ドル(約23億円)の調達を発表しました。

LLM関連の大型調達が毎日のように報道されて飽きてきているかもしれませんが、Nomic AIはこれまで言語モデルではなく大量のデータをweb上でマッピングするツールを開発していました。このツールは Google や Nvidia が利用していることから一定の評価を得ていることが分かります。

もうひとつの Nomic AI が開発するプロジェクトはGPT4ALLと呼ばれ、LLMを使った学習を自分たちのデータで、かつローカルのPCで実行するものです。インターネットもGPUも必要なく、WindowsやMacで独立して動かすことができ、データをインターネット上に上げることなく実行することができるのが特長です。

GPT4ALLは今年の3月に公開され瞬く間に4.9万以上のスターを獲得し一躍有名になったことで今回の資金調達に結びついたと言えます。まだビジネスモデルは明かされていませんが、LLM周辺ツールとして注目です。Link

累計1.8億ドル(約240億円)を調達したeバイクを開発する Vanmoof が破産を宣言しました。なぜ破産したかは明らかにされていませんが、新たな投資資金を得られなかった為だと思います。Vanmoof はオランダ発のeバイク開発企業で自転車界のテスラと呼ばれるほどで、日本に店舗を持っていたことから日本の街で走っているのを見かける存在です。

Vanmoof は自転車の施錠などをすべてアプリで行うため、サービスを終了すると今Vanmoofに乗っている人は最悪アプリの施錠を解除できなくなる可能性があります。

安価なIoTデバイスなどは同様のことが起きても問題になることは少ないですがVanmoofは30万円以上します。現状日本での規制はないようですが、アプリで制御する商品は今後サポート体制など消費者保護のための新しいルールが必要だと思うニュースです。Link

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