Ryusuke Fuda's Newsletter #103
- JavaScript のランタイムを開発する Bunがシードで 700万ドル (約9.7億円) を調達
- 社内ソフトウェア開発支援の Superblocks が 3,700万ドル(約51億円) を調達

スマートコントラクトはブロックチェーンへの書き込みや読み込みを行うプログラムで、サーバーではなくチェーンへデプロイ(公開)されます。もうひとつWeb2との大きな違いはスマートコントラクトは基本的には一度デプロイしたら変更はできません。これができてしまうと、ブロックチェーンが持つ強みのひとつである改ざん不可が覆ってしまうのが理由です。
スマートコントラクトを一度デプロイし変更できないことへの弊害はセキュリティ面で顕著に現れます。Web2であればコードに脆弱性が見つかればすぐに修正できますがWeb3では難しく、ここをハッカーが狙うことが多いです。
2021年創業のThirdweb はノーコード/ローコードのスマートコントラクト開発ツールです。NFTの発行やDAOなどのスマートコントラクト部分を提供しています。開発者が使う理由は時間の削減もありますが、Thirdweb のコードがすべて監査済みでセキュリティ上のリスクが自分で書くよりも低いことが挙げられます。
Thirdwebは今週シリーズAで 2,400万ドル(約33億円)を調達し対応するチェーンを増やしていくことを発表しています。Link

JavaScript のランタイムを開発する Bunがシードで 700万ドル (約9.7億円) の調達を発表しました。Bun は Jarred Summer氏が個人で始めたプロジェクトで、年々要求が増えて重くなる JavaScript の実行速度を速めるランタイムを開発しています。
Bun は現在主流の node の4.5倍, 新興スタートアップの deno の2倍早いという数値も出ています。早い理由のひとつは nodeやdenoが採用している chrome V8 エンジンではなくJavascriptCoreを使用しているからです。
そして注目すべきはこのシードラウンドを主導したVCが Kleiner Perkins という点です。Sequoia が競合の deno に投資し先を越された JavaScript のランタイム競争にようやく加わりました。Link

企業が DX の為に SaaS の導入を推し進めている中で、SaaS では対応できない分野も明確に明らかになってきています。SaaS はコミュニケーションなど企業共通の多く存在する問題の解決に強い反面、企業独自の文化やロジックが発生するような社内ツールは自分たちで開発する必要があります。
逆に言うと、その社内向けソフトウェアこそが競争優位性になってきている現状もあります。エンジニアが社内ツールを他のツールと連携しながら開発する手助けをしているのが Superblocksで今週3,700万ドル(約51億円) の調達を発表しました。
最近のトレンドのひとつである、大手VCの他に事業連携先のCEOも個人で出資するラウンドになっています。Link
👂 Back numbers
過去のアーカイブはこちらからご覧いただけます。
毎週このようなニュースレターが無料で届く 「Ryusuke Fuda's Newsletter」ご購読いただけると嬉しいです。
「Ryusuke Fuda's Newsletter」をメールで読みませんか?
コンテンツを見逃さず、購読者限定記事も受け取れます。