Ryusuke Fuda's Newsletter #86
- AI における「 The Mother of All Demos」を考える
- NFLがクリプト企業のチームへのスポンサー禁止を解除、ダラス・カウボーイズがBlockchain.comとの提携を発表
出典: https://www.improbable.io/blog/improbable-raises-usd150m-to-establish-metaverse-network-and-ecosystem
リアルでの活動がデジタルに以降してゆき、デジタル上でリアルと同じような体験ができるメタバースの中で、技術的なボトルネックは意外かもしれませんが通信にあります。
どういうことかと言うと、同時接続です。3Dのメタバースの開発に使われる Unity や Unreal Engine では同時接続では100人くらいが限界です。フォートナイトなど同時にみんなで戦うゲームも100人を上限としているのは通信的な問題に帰結します。
オンライン上の大規模イベント等も、実際の参加者は数千人規模いても、実際には周辺の数10人や数100人だけが相互に通信することで回避していたり、ポリゴンを落としたりと工夫しています。実際に数千人が同時に動いてそれが連動することはほとんどできていません。
そのメタバースの通信部分の技術を研究し、一歩すすめているのが Improbable社で、同時接続技術のMorpheusをつかったM²を開発し、現在1万人規模の同時接続に成功しています。
Improbableは今週1.5億ドル(約184億)の調達を発表し、2024年までに8,000億ドルの収益機会を生むメタバース技術の開発スピードを上げています。Link
出典: https://future.a16z.com/alphafold-gpt-3-and-how-to-augment-intelligence-with-ai/
1968年、ダグラス・エンゲルバートは計算機のカンファレンスで、今では「 The Mother of All Demos」と呼ばれている発表を行いました。
内容は、マウス、GUI、ハイパーリンク、ワードプロセッサ、バージョン管理、そしてテレビ会議といった、今では当たり前のコンピュータ機能の多くを1つのデモンストレーションで行ったもので、これが現在のコンピューターに大きな影響を与えています。
ダグラス・エンゲルバートは計算機が人間を問題解決から排除するのではなく、計算機は人間を支援するものであると考え、マウスやGUIなど人間主体のデモを発表しました。
では、現在の AI における「 The Mother of All Demos」はどんなものになるのでしょうか。元Apple の機械学習エンジニアで現在はコーネル大学でAIの研究をしている Niko Grupen氏 が考察しています。Link
出典: https://techcrunch.com/2022/04/13/dallas-cowboys-partnership-with-blockchain-com-signals-more-mainstream-crypto-exposure/
米国の人気スポーツであるアメリカンフットボールでは NFL (リーグ) の規約でこれまでブロックチェーンの取引所やウォレットを提供する企業がスポンサーとなることを禁止してきました。それが今年の3月22日に解除されました。
そして今週、全米で一番人気のあるNFLチームのダラス・カウボーイズが Blockchain.com と提携したことを発表しました。毎試合8万人以上がスタジアムに来場する場所を使ってクリプトを根付かせるのが狙いです。ダラス・カウボーイズはいち早く Esports のプロチームを作りアメフト選手と同様にフィジカルコーチとメンタルコーチをつけたりと新しい産業への取り組みを積極的に行っているチームです。
暗号資産は法定通貨と違い大衆への普及に課題があるのは間違いないですが、米国ではクリプト企業が今あるブランドを使って浸透させていく様子が伺えますね。Link
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